緒言
こんにちは、投資を始めて数年のtickyと申します。
数年間やってみて、いろんな情報を見て判断してきたつもりでしたが、たくさん失敗してきました。
今後は「成長できる企業」にもっと投資していこうと思い、まずは決算書をもっとしっかり読んで勉強することにしました。
すべての企業をチェックするのは無理なので、持ち株や「株探」などで話題になった銘柄を中心に少しずつチャレンジしていこうと思います。
今回は国内最大手の鉄鋼メーカー、日本製鉄(5401)の2025年3月期決算を見ていきます。
世界的な需要低迷や中国の供給過剰など厳しい環境が続くなか、今後の見通しはどうなるでしょうか。
連結業績概要
事業利益・営業利益・純利益のすべてで大幅減益。売上も微減。鉄鋼市況の悪化がそのまま数字に表れた格好です。
売上収益 | 事業利益 | 営業利益 | 税引前利益 | 当期純利益(親会社) | |
---|---|---|---|---|---|
2025年3月期 | 8.70兆円 | 6,832億円 | 5,480億円 | 5,244億円 | 3,502億円 |
2024年3月期 | 8.87兆円 | 8,696億円 | 7,787億円 | 7,640億円 | 5,493億円 |
増減率 | ▲1.9% | ▲21.4% | ▲29.6% | ▲31.4% | ▲36.2% |
セグメント別評価
鉄鋼依存が強い一方で、エンジニアリングとソリューション部門が堅調。製鉄事業の落ち込みを部分的にカバーしています。
セグメント | 売上収益 | 事業利益 | 前期比(利益) |
---|---|---|---|
製鉄 | 7兆8,743億円 | 6,210億円 | ▲2,000億円以上 |
エンジニアリング | 4,004億円 | 146億円 | +159億円(黒字転換) |
ケミカル&マテリアル | 2,691億円 | 189億円 | +36億円 |
システムソリューション | 3,393億円 | 388億円 | +33億円 |
財務状況
資産増加に対し、負債圧縮が進み、自己資本比率は約50%に改善。財務はより安定的に。
2024年3月末 | 2025年3月末 | 増減 | |
---|---|---|---|
総資産 | 10兆7,146億円 | 10兆9,424億円 | +2,278億円 |
親会社持分 | 4兆7,777億円 | 5兆3,833億円 | +6,056億円 |
有利子負債 | 2兆7,116億円 | 2兆5,074億円 | ▲2,042億円 |
自己資本比率 | 44.6% | 49.2% | +4.6pt |
キャッシュフロー
設備投資が続く中でも、営業CF・フリーCFはしっかり黒字。鉄鋼市況悪化でもキャッシュ創出力は健在です。
種別 | 今期 | 前期 |
---|---|---|
営業CF | +9,785億円 | +1兆101億円 |
投資CF | ▲4,624億円 | ▲7,106億円 |
財務CF | ▲3,133億円 | ▲5,439億円 |
フリーCF | +5,161億円 | +2,995億円 |
評価まとめ
思ったよりきびしめの予想です。配当金も160→120円への減配です、ぐぬぬ。
鉄鋼市況の反転やU.S.スチール統合の進展が業績回復の鍵となりそうです。来期は我慢の年になりそうですが、長期的な視点では依然として注目です。

追記:今後の見通し
2026年3月期は以下の業績予想を提示:
- 事業利益:4,000億円以上(▲41.5%)
- 当期利益:2,000億円以上(▲42.9%)
- EPS:191円(前期350円)
背景としては以下の通り:
- 鉄鋼市況(価格・数量ともに)悪化継続
- 中国の輸出増加と米国の関税強化
- インドや米国での新拠点展開に期待(ただし立ち上がりは2026年度以降)
中長期的には粗鋼年産1億トン体制を見据えたグローバル展開を進めており、アメリカU.S.スチールの買収が進展すればプレゼンスはさらに向上する見通し。
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