緒言
こんにちは、投資を始めて数年のtickyと申します。
数年間やってみて、いろんな情報を見て判断してきたつもりでしたが、たくさん失敗してきました。
今後は「成長できる企業」にもっと投資していこうと思い、まずは決算書をもっとしっかり読んで勉強することにしました。
すべての企業をチェックするのは無理なので、持ち株や「株探」などで話題になった銘柄を中心に少しずつチャレンジしていこうと思います。
今回は通信業界の巨人、NTT(日本電信電話株式会社/9432)の2025年3月期決算短信を読み解いていきます。
IOWN構想など、技術的にも話題の多いNTTですが、実際の業績はどうだったのでしょうか?
前回の決算は下記になります。
NTTの株価情報(5/9)
指標 | 数値 |
---|---|
株価 | 153.8円 |
配当金 | 5.2円 |
配当利回り | 3.38% |
PER(予想) | 11.72倍 |
PBR(実績) | 1.26倍 |
連結業績概要
営業収益は微増(+2.5%)だったものの、各利益項目は軒並み2割前後の減少となりました。主な要因は人件費・減価償却費などの費用増加です。
営業収益 | 営業利益 | 税引前利益 | 当期純利益(親会社) | |
---|---|---|---|---|
2024年度(今期) | 13.70兆円 | 1.65兆円(▲14.2%) | 1.56兆円(▲21.0%) | 1.00兆円(▲21.8%) |
2023年度(前期) | 13.37兆円 | 1.92兆円 | 1.98兆円 | 1.28兆円 |
セグメント別の評価
●総合ICT事業(NTTドコモなど)
- 営業収益:6.21兆円(+1.2%)
- 営業利益:1.02兆円(▲10.8%)
5G契約数は25%超増加と堅調でしたが、費用増加(人件費・ネットワーク投資等)が響いて利益は二桁減少。
●地域通信事業(NTT東西)
- 営業収益:3.11兆円(▲2.2%)
- 営業利益:2,955億円(▲32.5%)
固定電話系の衰退が続き、収益・利益ともに減少。今後は光アクセスと法人向けDXでの巻き返しが鍵。
●グローバル・ソリューション事業(NTTデータ等)
- 営業収益:4.64兆円(+6.2%)
- 営業利益:3,239億円(+4.6%)
唯一の増収増益セグメント。海外向けのITソリューションが堅調で、今後も中核事業に。
●その他(不動産・エネルギー)
- 営業収益:1.73兆円(+5.7%)
- 営業利益:558億円(▲6.7%)
再エネ・スマート農業等に注力するが、まだ投資段階で利益貢献は限定的。
キャッシュフロー
キャッシュ創出力は依然として非常に高く、自己株買い・増配など株主還元にしっかり回せる体質です。
今期(2024年度) | 前期(2023年度) | 増減 | |
---|---|---|---|
営業CF | 2.36兆円 | 2.37兆円 | ▲0.4% |
投資CF | ▲2.00兆円 | ▲1.99兆円 | 微増 |
財務CF | ▲3,430億円 | ▲2,345億円 | ▲46.3% |
フリーCF(参考) | +3,800億円前後 | +3,800億円前後 | 横ばい |
決算短信の評価
短期的には減益だが、盤石な基盤と技術ドリブンの成長期待で中長期◎
2024年度は減益だったものの、NTTは構造的に強い企業体質を保っており、次のフェーズへの助走と見ることもできます。
スマホ、光回線の通信料金値上げもあることから、ここから業績が上がる可能性もありますね(利用者側としては痛いところですが。。。)
生成AIやIOWNといった技術投資の成果がどう結実するかが、今後の注目ポイントです。

来期見通し
通期予想 | 前期比増減率 | |
---|---|---|
営業収益 | 14.19兆円 | +3.5% |
営業利益 | 1.77兆円 | +7.3% |
当期純利益(親会社) | 1.04兆円 | +4.0% |
1株利益(EPS) | 12.60円 | +5.4% |
来期は増収増益予想。2024年度が費用先行だった分、収穫期に入る見通しです。重点分野は以下の通り:
- IOWN構想の商用展開
- データセンター事業のREIT活用による資産効率化
- AI(tsuzumi)やSmartAgent、LITRONなど自社生成AI基盤の外販強化
- 再エネ・食料自給・自動運転などへの新規投資も継続
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