緒言
こんにちは、投資を始めて数年のtickyと申します。
数年間やってみて、いろんな情報を見て判断してきたつもりでしたが、たくさん失敗してきました。
今後は「成長できる企業」にもっと投資していこうと思い、まずは決算書をもっとしっかり読んで勉強することにしました。
すべての企業をチェックするのは無理なので、持ち株や「株探」などで話題になった銘柄を中心に少しずつチャレンジしていこうと思います。
今回は、2024年12月にゲームアプリの「Pokémon Trading Card Game Pocket」(以下、ポケポケ)の売り上げがニュースになっていたDeNA(2432)を取り上げてみたいと思います。
2025年2月の決算は下記記事からごらんください。
連結業績概要
ゲームやスポーツ事業に加え、ヘルスケアやライブ配信など多角的に展開する同社。ここ数年赤字が続いていましたが、今年は劇的な回復を遂げています。
売上収益 | 営業利益 | 税引前利益 | 当期純利益(親会社) | |
---|---|---|---|---|
2025年3月期 | 1,640億円 | 290億円 | 318億円 | 242億円 |
2024年3月期 | 1,367億円 | ▲283億円 | ▲281億円 | ▲287億円 |
増減率 | +19.9% | 黒字転換 | 黒字転換 | 黒字転換 |
昨年の大幅赤字から一転し、すべての段階利益で黒字化。特に営業利益率は前年▲20.7%→今期17.7%と劇的改善。これはポケポケのヒットが大きく寄与しました。
セグメント別の評価
●ゲーム事業
- 売上:781億円(+44.6%)
- セグメント利益:386億円(+1016%)
2024年10月にリリースされた「Pokémon Trading Card Game Pocket」が好調。
DeNAにとって久々の大ヒット作となり、ゲーム事業が利益を大きく押し上げました。
●ライブストリーミング事業
- 売上:406億円(▲4.7%)
- セグメント損失:2億円(前年は+3億円)
「Pococha」はCM展開を縮小して収益重視の運営へ。
「IRIAM」は成長中とのことですが、収益化はまだこれから。
●スポーツ事業
- 売上:313億円(+14.8%)
- セグメント利益:28億円(+33.5%)
DeNAベイスターズの観客動員が過去最高。
「日本シリーズ優勝」などイベント収入も貢献。地道ながら安定成長。
●ヘルスケア・メディカル事業
- 売上:107億円(+8.1%)
- セグメント損失:▲36億円(前年も同水準)
医療系アプリ「Join」などを展開。黒字化にはもう一歩かかりそうですが、医療DXは将来性あり。
●新規事業・その他
- 売上:36億円(+18.4%)
- セグメント損失:▲11億円(前年も赤字)
投資やECなどを含む部門。まだ芽吹き段階です。
財務状態
現預金が200億円以上増加し、流動比率も良好。財務は安定しています。
2024年3月末 | 2025年3月末 | 増減 | |
---|---|---|---|
総資産 | 3,357億円 | 3,942億円 | +585億円 |
自己資本比率 | 62.3% | 61.3% | ▲1.0pt |
現金及び同等物 | 714億円 | 928億円 | +214億円 |
キャッシュフロー
営業CFが一気にプラス転換。しっかり稼げる体質へと回復しています。
種類 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 増減 |
---|---|---|---|
営業CF | ▲108億円 | +390億円 | +498億円 |
投資CF | ▲126億円 | ▲123億円 | +3億円 |
財務CF | ▲41億円 | ▲54億円 | ▲13億円 |
評価まとめ

- ゲームは新規大型タイトルの計画はやや不透明。
- ソフトローンチ戦略(小規模リリース→改善)を採用。
- 「Pokémon TCG Pocket」は初速後の落ち着きも見込んでおり、短期的には慎重な見方。
ヘルスケアやスポーツなど「非ゲーム領域」の育成も進行中。中長期では多角化+収益性重視のモデルに向かっています。
今期はゲームのヒットで一気に回復しましたが、来期以降の柱作りが今後の評価ポイントになりそうです。
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